アメリカ人事|Gold |ドジャースWS第7戦:“Wrobleskiの一球”は流れを変えたのか? 〜職場での訴訟予防へのヒント〜

 

アメリカ人事|Gold |ドジャースWS第7戦:“Wrobleskiの一球”は流れを変えたのか?

〜職場での訴訟予防へのヒント〜

 

ロサンゼルスでは、ドジャースが劇的なワールドシリーズ制覇を果たし、街全体がまだ熱狂の余韻に包まれています。

山本由伸選手始め、ミゲル・ロハス(Miguel Rojas)、ウイル・スミス(Will Smith)、の同点、逆転のホームラン。アンディ・パヘス(Andy Pages)のミラクルキャッチと倒れたキケ・ヘルナンデス (Kike Hernandez)等等、名場面が何度もリプレイされる中で、今回は第7戦の“流れが変わった”と語られている一瞬を取り上げ、人事・組織マネジメントの視点で紐解いてみます。

 

■ 試合の転換点となった“第4回の火種”

 

第7戦・4回。

大谷翔平投手がブルージェイズ打線に本塁打を浴び、スコアは3–1。嫌な空気が漂い始める中、マウンドに上がったのは若手左腕 ジャスティン・ロブレスキー(Justin Wrobleski)。

 

そして運命の一球。

時速96マイルの速球がブルージェイズのショートストップ、アンドレス・ヒメネス(Andrés Giménez)の手に当たり、死球に。

 

直後、ヒメネスが強く睨みつけ、ロブレスキーに激しい言葉をぶつけたことで、両軍ベンチとブルペンが飛び出す“ベンチクリア”に発展しました。

幸い、乱闘には至らず数分で収まりましたが、選手の感情が大きく揺れ動いた瞬間だったことは明らかです。

 

引用元(事実確認):

Toronto Sun(Rob Longley記者)

https://torontosun.com/sports/baseball/toronto-blue-jays/trash-talk-jeff-hoffman-sparked-late-home-run

 

 

※現場映像:

https://www.facebook.com/reel/1325397929364831/?fs=e&mibextid=wwXIfr

 

 

■ “言葉の一撃”がホームランを呼んだ?

 

試合後、ドジャース投手 ウィル・クライン(Will Klein)が語った、興味深い証言があります。

 

ベンチクリアの際、ブルージェイズのクローザー ジェフ・ホフマン(Jeff Hoffman)が、ロブレスキー本人ではなく、ミゲル・ロハス(Miguel Rojas)とカービー・イェーツ(Kirby Yates)に対して挑発的な言葉(Trash Talk)を浴びせたというものです。

 

そしてクラインによると、ロハスはその挑発を忘れず、迎えた9回の打席でホフマンから左翼席に同点ホームランを放った──とのこと。

 

「文句を言って、先に歩いて引き下がるぐらいなら…ロハスが打つのは避けられないと思った」

— Will Klein(Toronto Sun記事より)

 

ここで重要なのは、

“挑発がホームランにつながった”とは断定できないという点です。

これはあくまで選手の証言であり、主観によるものです。

 

しかし、感情がプレーに影響するスポーツの世界において、火がついた選手が力を発揮したと語られることは珍しいことではありません。

 

■ HR視点:組織でも同じ“感情の連鎖”が起こる

 

今回のシーンには、現代の職場、とくにアメリカの労働環境における重要な示唆があります。

 

  • 怒りは強いエネルギー

 

怒りは人間の感情の中でも最も瞬発力があります。

しかしその矛先を誤ると、関係悪化、退職、ひいては訴訟リスクにもつながります。

 

今回の事例を職場に置き換えると:

 

ケース→感情の使い方→結果として考えると

 

ブルージェイズ→相手への攻撃(言葉で責める)→集中力低下・流れを失う

ドジャース→闘争心・集中力への変換→流れを引き寄せた

とも見られます。

 

企業でも同じです。

攻撃的コミュニケーションは、結局自分に跳ね返ります。

 

特にアメリカでは、

 

言葉による侮辱

 

名指しの批判

 

感情的な叱責

などは、ハラスメント訴訟やHostile Work Environment(敵対的職場環境)で扱われる可能性があるため注意が必要です。

 

■ “怒り”をどう扱うかで、チームの未来は変わる

 

近年、アンガーマネジメント研修が増えているのは偶然ではありません。

怒りを抑えろということではなく、怒りの扱い方を身につける必要があるからです。

 

感情ではなく「事実」で向き合う

 

攻撃ではなく「対話」に変える

 

相手ではなく「状況」を改善する

 

これは、離職防止、訴訟予防、生産性向上に直結します。

 

■ ご機嫌で働くことは戦略である

 

「ご機嫌で働く」という言葉がありますが、これは単なるポジティブ思考ではありません。

自分の機嫌が良い → 周囲に伝染する → チーム全体の雰囲気・生産性が上がる

これは科学的にも組織心理学的にも裏付けられた現象です。

 

ドジャースの逆転劇は、

“感情の扱い方によって、流れが変わる”ことを見事に示しました。

 

職場でも同じこと。

 

  • 怒りをぶつければ、人は離れ、組織は崩れる

 

  • 怒りを前進のエネルギーに変えれば、組織は強くなる

 

MLBの名場面から、アメリカ人事の現場に生かせる学びではないでしょうか。

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