アメリカ人事【2026年HSA上限発表】企業が今すぐ取り組むべき3つの戦略的アクション
アメリカ人事【2026年HSA上限発表】企業が今すぐ取り組むべき3つの戦略的アクション
▼出所
https://www.irs.gov/pub/irs-drop/rp-25-19.pdf
2025年5月、米国国税庁(IRS)は2026年の健康貯蓄口座(HSA)の非課税拠出限度額を発表した。この発表は、雇用主にとって従業員の福利厚生戦略を見直す絶好の機会である。以下に、雇用主が取るべき3つの具体的なアクションを示す。
1. HSA拠出限度額の変更を従業員に周知し、教育する
2026年のHSA拠出限度額は以下の通りである:
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個人加入:$4,400(前年より$100増加)
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家族加入:$8,750(前年より$200増加)
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55歳以上のキャッチアップ拠出:追加で$1,000(変更なし)
これらの変更を従業員に適切に伝えることが重要である。特に、給与天引きによる拠出を行っている従業員には、限度額超過による税制上のペナルティを回避するため、早期に情報提供を行うべきである。また、HSAの三重の税制優遇(拠出時の所得控除、運用益の非課税、医療費支出時の非課税)についても再教育を行い、従業員の理解を深めることが望ましい。
2. 高控除健康保険プラン(HDHP)の適格性を再確認する
HSAの利用には、特定の条件を満たす高控除健康保険プラン(HDHP)への加入が必要である。2026年のHDHPの要件は以下の通りである:
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個人加入:年間自己負担額が$1,700以上、自己負担上限が$8,500以下
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家族加入:年間自己負担額が$3,400以上、自己負担上限が$17,000以下
これらの要件を満たさないプランでは、従業員がHSAの税制優遇を受けられない可能性がある。したがって、雇用主は自社の保険プランがこれらの基準を満たしているかを確認し、必要に応じてプランの見直しを行うべきである。
3. HSAを退職後の医療費備えとして位置づけ、従業員の拠出促進を図る
HSAは、現役時の医療費支出だけでなく、退職後の医療費備えとしても有効な手段である。特に、55歳以上の従業員は追加のキャッチアップ拠出が可能であり、退職後の医療費に備えることができる。雇用主は、HSAを退職後の医療費備えとして位置づけ、従業員に対して拠出の重要性を啓発することが求められる。また、従業員が最大限の拠出を行えるよう、給与天引きの仕組みを整備し、拠出の促進を図るべきである。
2026年のHSA拠出限度額の変更は、雇用主にとって従業員の福利厚生戦略を見直す好機である。上記の3つのアクションを実行することで、従業員の健康と財務の両面での安定を支援し、企業としての競争力を高めることができる。
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